会 長    松浦 幹太
企画部会長 高橋 正和

第33回日本セキュリティ・マネジメント学会 学術講演会をオンラインで開催いたします。
およそ2年前に発生した新型コロナ感染症は、各国で感染を広げ世界的なパンデミックとなりました。日本でも、昨年2月のクルーズ船の入港を機会に議論が本格化し、緊急事態宣言、まん延等防止重点措置、飲食店への自粛要請といった人流抑制を中心とした感染予防の取り組みが行われました。今年に入り、オリンピック・パラリンピック、デルタ株の広がり、そして医療崩壊と言った様々な懸念に直面してまいりました。急速に進んだワクチン接種を経て、10月に入り急速に感染が減少いたしましたが、第6波と呼ばれる新たな感染拡大が懸念されている状況です。
新型コロナウイルス感染症は、ICTについても注目されました。まず、日本国内に限らず世界中の情報を、容易に手に入れることができたことは画期的な出来事でした。一方で、給付金の支払いや申請に時間がかかるなど、日本のICTが遅れている点も表面化いたしました。また、データの収集や活用においては、個人情報保護とデータの有効活用についても課題が明らかになりました。
本イベントでは、リスク・マネジメントや危機管理という視点から、日本を中心とした新型コロナウイルス対応を振り返り、「(仮)COVID-19にみるリスク・マネジメントの実際」として、情報通信医学研究所 中川様、国立情報学研究所 高倉様のご講演を中心に、リスク・マネジメントとして取り組むべき課題や、ICTに求められる社会的な役割について、ディスカッションを進めます。
ご参加をお待ちしております。

  1. 日時:2021年12月5日(日) 13:00~17:20 (12:45よりウェビナー入室可)
  2. 会場:オンライン開催(Zoomウェビナー)
  3. テーマ:『COVID-19にみるリスク・マネジメントの実際』
  4. 主催 日本セキュリティ・マネジメント学会
  5. 後援 日本システム監査人協会(SAAJ)、日本セキュリティ監査協会(JASA)、日本内部監査協会(IIAJ)、日本 IT ガバナンス協会(ITGI Japan)
    日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)、アイエスシー・スクエア(ISC)2、ITコーディネータ協会(ITCA)  
    一般社団法人日本クラウドセキュリティアライアンス(CSA ジャパン)
    ISACA  東京支部・大阪支部・名古屋支部・福岡支部 (順不同、一部予定) 
    ※ 最大240分の継続専門教育(CPE)受講証明書を発行します。
  6. 対象 JSSM学会員+一般の方
  7. 定員 300名
  8. 参加費 JSSM正会員・学生会員(2,000円)、賛助会員(1名無料 2人目以降 2,000円)
    後援団体(2,500円)、 非会員(3,000円)いずれも事前登録が必要です。
    非会員の方は、この機会にぜひご入会ください。入会申込 : https://www.jssm.net/?page_id=71
  9. プログラム (2021年11月5日現在。最新の情報は本ページの更新によってお知らせいたします。)
13:00~13:05JSSM学術講演会 開会のあいさつ
13:05~13:30新型コロナウイルスの振り返り JSSM高橋 資料 
13:30~14:30講1社会疫としての新型コロナ感染症に対する危機管理ー医学的観点からー
一般社団法人情報通信医学研究所代表理事・所長 日本学術会議連携会員 中川晋一
要旨:2019年に中国で発生した新型コロナ感染症は奇跡的に開発されたmRNAワクチンにより制御可能域に入ってきているが、今なお人類に甚大な被害を及ぼしている。感染様式、感染経路の不明な未知疾患としての本疾患に対する対応で、合衆国は大規模PCRにより感染者と非感染者を分離可能という戦略を取ったがPCR陰性の無症候感染者による感染拡大という想定外の事態により、いわゆる物量による封じ込めに失敗した。また、欧州各国は、疫学的には一定数の重症者や死者を覚悟するが感染者数が増大しいずれ集団免疫状態となれば収束するという方針をとろうとしたが、大きな痛みを伴った。発生国とされる中国は国家による徹底したロックダウンを行った結果封じ込めに成功したとされているが発表される感染者数の不連続性などからも感染状況統計の不透明性が問題である。わが国はこれらのような極端な政策をとらなかったが、最初から国民の衛生意識が高く、実際には存在しないFactorXがあるのではないかとされるほど感染状況はこれでも「良好」である。さまざまな幸運が重なった結果だが、国民一人一人が感染状況、予防方法を工夫し、第4波以降の市中感染においても人流抑制が効果的であったと考察されている。今回の経験から今後の未知疾患に対する対策について述べる。
14:30~15:30講2緊急時におけるICT利活用の考え方
国立情報学研究所・サイバーセキュリティ研究開発センター長 高倉弘喜
要旨: デジタル変革と聞けば、必要な書類を携えて窓口に出向かなくても、スマホなどICT機器を操作するだけで手続きが瞬時に完了する世界をイメージする人は多い。しかし、それを実現するための裏方の存在を思い描ける人はごく僅かである。ICT機器は人が実空間とサイバー空間の間でデータを出し入れする道具である。実空間の人による裏方作業が必要となるのであれば、たとえ目視作業だとしても、データの出し入れで時間を取られることになる。すなわち、デジタル変革では人の関与を極限まで減らす手順だけなく、場合によっては規則の見直しまで必要となる。今回の新型コロナウィルス対策では、緊急時だったのもあり迅速なICT導入に注視しすぎ、全体を俯瞰できずに多くの裏方作業がアナログなままとなってしまった。本講演では、我が国・諸外国の事例を参照つつつ、我が国のICT基盤整備のあり方について述べる。
15:30~15:40休憩
15:40~17:15パネルディスカッション:
新型コロナウイルスに見るリスク・マネジメントの課題
中川様、高倉様、JSSM
17:15~17:20JSSM学術講演会 閉会のあいさつ

9. 参加申込の方法  

 Peatixにて、「チケットを申し込む」から 参加区分のチケットを選択してください。
 お申込みURL(Peatix): https://jssm33symposium.peatix.com
    ①チケット選択:参加区分のチケットを選択
    ②割引コードの入力:割引コードをお持ちの方は、チケット選択最下段の » 割引コードを入力 からご入力ください。
    ③④チケットに表示される金額と、最下段の合計の金額が変わります。  

10. 講師略歴
中川晋一 医師、産業医、博士(医学)、博士(学術)一般社団法人情報通信医学研究所代表理事・所長、医療法人社団三友会あけぼの病院健診部部長、日本学術会議連携会員
略歴 1988年滋賀医大卒、1996年京大院修了、国立がんセンター研究所研究員、郵政省通信総合研究所(情報通信研究機構に改組)次世代インターネットグループリーダ、北陸先端科学技術大学院大学客員准教授、JGN運営委員等。2010年、東工大院理工学研究科修了、2011年情報通信研究機構上席研究員.2011年(社)情報通信医学研究所設立、代表理事・所長の傍ら、IT企業統括産業医、2020年より東京都町田市の医療法人社団三友会あけぼの病院健診部部長。

高倉弘喜 国立情報学研究所・サイバーセキュリティ研究開発センター長 
略歴 1990年 九州大学工学部情報工学科卒 1992年 九州大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了 1995年 京都大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了・博士(工学) 京都大学研究員(米国イリノイ州立大学訪問研究員)、奈良先端科学技術大学院大学助手、京都大学講師・助教授(准教授)、名古屋大学教授を経て 2015年より国立情報学研究所教授、2016年同研究所サイバーセキュリティ研究開発センター長

11. 問い合わせ先

              symposium[at]jssm.net までお問い合わせください。[at]は@に変更してください。

以上