22巻 第1号 2008年5月


巻頭言

    情報社会の新潮流と本学会の役割

    −セキュリティは主食かビタミンか−

                     辻井重男… 1

研究論文

    新しいアクティブ型モニタリングシステムの設計と評価

藤川真樹… 3

 

解説

特集「セキュリティ法制研究会

    見えないものの品質保証・第三者認証と責任

林紘一郎…19

 

ニュースレター

………………………………………………31

 


新しいアクティブ型モニタリングシステムの設計と評価

Design and Evaluation of the New Active-type Outer House Region Monitoring System

中央大学研究開発機構   藤 川 真 樹

Research and Development Initiative, Chuo University    Masaki FUJIKAWA

要 旨

 現状のホームセキュリティ・システムは、空き巣などの侵入者に対してpassiveであるといえる。なぜならば、「侵入による被害の拡大を防止すること」を目的としているからである。そこで筆者は、「侵入を防止あるいは抑止すること」をホームセキュリティの新しい目的として加えることにより、侵入者に対してactiveに対処できるモニタリングシステムを設計した。当該システムは、建物の外周部に入ってきた人が、@任意の場所でどのくらい留まっているか(滞留時間)、また、A外周部をどのように移動しているか(移動経路)を計測する。そして、これらの情報を用いて「不審者らしさ」を算出し、不審者である可能性の高い人に対して「注意」および「威嚇」を行う(これは、侵入意欲を減退させるとともに、敷地から退散させることを目的としている)。筆者は、実証実験により「不審者らしさ」を算出する2つのアルゴリズムの検証を行い、適切に動作することを確認したあと、提案システムの優位性(類似システムとの比較)、有用性(運用上の課題の解決方法)および実現可能性(センサーの機能要件)について考察を行った。

 

キーワード

 ホームセキュリティ、外周部のモニタリング、不審者らしさの算出、侵入の防止・抑止

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